【コラム】年齢によるリスクをどう捉える?
こんにちは!
S&S声優コースの佐山です。
声優事務所の所属オーディションや
養成所の入所オーディションを受ける時、
年齢制限がある事務所は
ご自身がその年齢を超えている場合は
当然対象外になります。
そんなこともあってか、
預かり所属の方や養成所生が
査定で良い結果を得られなかった場合、
年齢のせいだと思う方がいらしたりもします。
「結局合格したのは若い人だった」
「年齢制限がないと言っても
結局若い子が選ばれるんだ」
とか。
年齢によるリスクがあるのは当然のことです。
同じレベルだったとしても、
または「自分の方がレベル的に上なのでは…」
と思ったとしても、
20代後半の方より、30代以上の方より、
20代前半の方の方が可能性が広いのは
事務所からすれば理に叶ったことです。
私は普段、
「声優になるのに年齢は関係ない」
と言いますし、
本気でそう思っています。
ただし、年齢によるリスクがあることも
当然のことと考えています。
だからこそ、
年齢を重ねられている方は、
若い方よりも相当努力が必要ということになります。
しかしそれ以上に大事なことは、
「初心」
だと思います。
これまでの傾向を見ていて、
事務所に所属していた経験がある方且つ、
一見「上手い」ように思える人の方が、
比較的落ちる確率が多い気がします。
なぜか。
前述に該当する方全員ではないのですが、
これまでに重ねてきた経験による、
「癖」がついてしまっているから、
または「所属していた」という事実がある分、
自分は他とは一線超えた学びが必要と思っているから。
声優は「役者」の中でも、
声優ならではの特殊な技術を使うので、
それができていれば、
(あとマイク通りの発声や滑舌ができていれば)
如何にも声優らしく聴こえるかもしれないし、
一般の人が聴いたら
「上手い」と思われるかもしれません。
しかし、心に響く演技ができるか、
面白いと感じる演技ができるか、
と言ったら、
私としてはわりと「No」の方が多いです。
技術だけ長けてて(長けてない場合もあるけど)、
「〇〇っぽい」にしか聴こえないからです。
そこに気付かずに、
「自分は今の養成所生とは違う」
と思っているのであれば、
大間違いです。
事務所に所属していた人
または現在所属している人よりも、
今養成所に通っている人の方が
響く演技、面白い演技ををしている
と感じることなんて多々あります。
「お客様(視聴者)を楽しませたい」
「お客様(視聴者)の心に響くものを届けたい」
「そのために上手くなりたい」
「わからないことをわかるようにしたい」
そういう、
「なぜ声優になりたいのか」
から、
それを達成するための行動をしているからだと思います。
『認められることより表現者として成長すること』
に重きを置いているからだと思います。
仕事に繋げるために、
音響監督さんが行なっている
ワークショップに参加することも大事。
ですが、
一度でも仕事に繋がったことがあるでしょうか?
あるにしてもないにしても、
それが結果です。
ずっと以前に書いたことがあるのですが、
音響監督のワークショップは、
・現場のディレクションを体験できる
・もしかしたら仕事に繋がるかもしれない
がメインで、
技術が上がる方は稀にいらっしゃるかもしれなくても
演技力や技術を上げることが目的ではありません。
声優や俳優によるワークショップは、
『演技や技術を学ぶこと』
がメインです。
『演技や技術を学ぶこと』
の中には、
発声や滑舌など基礎の他、
・演技の根幹
・声優技術
・台本読解
・キャラクター
・マイクワーク
など、上記以外にも様々なことが考えられます。
初心者に比べれば経験者の方が
技術はそりゃあ長けてるでしょうが、
それで「演技ができてる」と思ったら
それは大きな間違いです。
技術だけでは何も届かないですからね。
それでは演技ではありません。
若い人の方が可能性が広いのは、
経験が少ない分癖がついてなかったり、
それこそ技術が備わっていないこと、
なりふり構わず挑戦する姿勢、
そこからの伸び代を感じるから
ではないでしょうか。
年齢を重ねている方の場合は、
経験が浅い方の場合は『伸び代』
経験者の場合は『なりふり構わず学ぶ姿勢』
があるかないかで、
結果が変わってくると思います。
今回S&Sの合同オーディションに参加いただく
ある事務所は、
年齢制限もなく、わりと人気の事務所ですが、
50代で養成所に入所し、
今食べれるくらい稼いでいる
という声優さんがいらっしゃるそうです。
どんな人がそうなるのか。
経験者も経験が浅い人も、
よく考えて、
自分を振り返ってみると良いと思います。
そして、
「必要な学び」
をしているか。また、
「今自分に必要な学び」
をわかっているか。もっと言えば、
「今自分の位置はどこか」
をわかっているかが重要だと思います。
そこを理解せずして
段階を飛ばした努力をしても、
全く意味を成さないことになりかねないですよ(^^)
もちろん、
私がこんなことを言ったとしても、
それは一人の意見でしかありません。
どう受け止め、どう行動するかは
もちろんあなた次第です。
今ある現実から考えてみると良いでしょう!
S&S声優コース担当
佐山直子
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