【コラム】理解のズレ。
こんにちは。
S&S声優コースの佐山です。
今日は「ズレ」についてお話します。
演じる時、
台本を読んだ時、
台本の受け取り方がズレると、
演技の方向性がズレて、
芝居が上手い下手云々の前に、
求められている方向性さえ
ズレた表現になってしまいます。
「台本が読み込めていないと芝居にもならない」
というのはそういうことです。
ではなぜズレるのでしょうか。
→視野が狭いからです。
もっと言うと、
『自分の尺度でものを考えているから』
です。
日常生活の上でもそうで、
例えばあなたは小学生の時に
「相手の気持ちを考えなさい」
「相手の立場になって考えなさい」
と言われたこと、
ありませんでしたか?
「自分がされて嫌なことは相手にもしない」
とか。
実はあれもよく考えたら落とし穴で、
相手の気持ちを考える
→自分だったらどうか
相手の立場になって
→自分を相手の立場に置き換える
と子どもの頃考えたと思うのですが、
それってどちらも
自分の尺度で解釈してしまっている可能性大なんですよね。
自分が感じることと、
他者が感じることは、
その人それぞれが生きてきた境遇が違えば
それに比例して違うのだから、
例えば自分がいいと思ってしたことも、
相手にとっては大迷惑だったり
傷付くことだったりするわけです。
そう思うと、
単純に自分に置き換えて相手の気持ちを考えるものではありません。
これが、役理解にも起きています。
「自分だったらこう感じるから」
確かに役を演じるには、
自分の感覚は大事なんだけど、
それはシーンの状況に自分が置かれたとして、
自分だったらどうするか、
自分だったらどう感じるか、
ではないんです!!
自分の演じるキャラクターは、
自分とは全く違うキャラクター。
(似ていることもあるけれど)
生まれも境遇も違うのです。
(似ていることはあるけれど)
そうなるとこの役は
どういう生まれで、
どんな環境に囲まれてどう育って、
家族との関係性や、
家族との間に起きたこと、
家族に無意識に持っている蟠り、
小学生くらいの年齢の時に何があったのか、
中学生くらいの年齢の時に何があったのか、
高校生くらいの年齢の時に何があったのか、
明るいのか暗いのか、
それはなぜなのか、
どんなものを見てきたのか、
勉強はできるのかできないのか、
それはなぜなのか、
…等々、書き出したらキリがないくらい、
キャラクターには背景があるのです。
担当する役が自分とは全く違うタイプだったら、
例え同じことが身の回り起きても
あなたと演じるキャラとでは
感じ方も考え方も違うわけですよね。
これがまず抜けている人が多い。
あなたがこのキャラだったら、
ではなく、
このキャラクターはこんな人だから、
こういう時はこうする、
という分析が必要なのです。
これは、2月5日・9日の講座でレクチャーする、
台本分析テクニックの「ステップ0」です。
あ、そうなんです。
このテクニック、
全部で12のステップがあるとお伝えしているのですが、
実はその前に「0」というのがありまして。
それがあって「1」に入らないと、
多分ステップ1もずっとわからない。
ステップ1は、
役の「全体の目的」です。
(ちなみに「目的」は「目標」とは異なります)
ステップ0の段階で、
人物をプロファイルできていないと、
目的は置けないのです。
そしてこれも、
私たち人間すべてに言えることですが、
目的がなく生きている人は
気力も生命力も感じない。
なんとなーく生きている感じ。
それが悪いわけではなくて、
ただもし声優として、役者として、
芝居ができるようになりたいのなら、
(ちなみに「〇〇したい」は目的ではありません)
作品に登場する人物やキャラクターは
常に行動目的を持って存在しているので、
それが読み取れないことには芝居にはなりません。
そして、演じる役・キャラクターの
これまで生きてきた人生に寄り添ったり、
そこで感じてきたものに寄り添ったりできなければ、
その役・キャラクターの気持ちは
ずっとわからないまま、
ということは、
演じられないままというわけです。
まずはキャラクター分析。
これが必須。
その上で役を自分に置き換えること。
これがパーソナル化です。
自分の中にあるポジティブな感情も
ネガティブか感情も、
トラウマも何もかもを使って、
まさに役として生きるためのヒント、
その方法、テクニックが、
今回の台本分析テクニック。
それが、
ハリウッドの演技コーチ、
イヴァナ・チャバックの宴技術です。
以下が、
12ステップの全てです。
【キャラクター分析】
1. 全体の目的
2. シーンの目的
3. 障害
【パーソナル化】
4. 代替者
5. インナーオブジェクト
6. ビートとアクション
7. MB(Moment Before)
8. 場所と第四の壁
9. ドゥーイング
10. インナーモノローグ
11. 過去の状況
12. 手放す
これらをわかりやすくレクチャーしたものが、
今回ご覧いただく講座です。
キャラクター分析をしてから
置き換え(パーソナル化)をするのですが、
そこで自分というものがわかっていないと
パーソナル化も中途半端になり、
ズレるどころか全く外れた演技になってしまうかもしれません。
だから講師の方は皆、
「自分と向き合ってー」
と仰るわけですね(^^;)
アニメアフレコクラスでも
外画吹替えクラスでも
よく聞くフィードバックです。
使いこなせるようになるには
自分という人間とよく向き合う必要がありますが、
そうでなくともこのテクニック、
この手法を知っていると知らないとでも
大きく違うと思います。
このテクニックを知ったタイミングでは
そんなに自分のことをわかっていなくても、
逆にテクニックを知ることで、
自分がわかってくる瞬間があるかもしれません。
このテクニックを
使うか使わないかはあなた次第。
但し、もし台本読解が苦手、
役の読み取りが難しい、
何か演出の意図とズレてしまいがち、
と感じることがあるならば、
まずこのテクニックを試してみることをオススメします。
悩みながら止まっているより、
何でもいいから動いてみることは必要ですよね。
何が変化のきっかけになるかわかりませんから♪
今回、期間限定でアーカイブもお送りし、
また受講料も通常より半額以下となっていますからね。
(通常17,600円→6,600円)
今回はもの凄いチャンスなんです。
(講座開催以降のアーカイブ視聴申込みは通常金額に戻ります)
なので、
是非この機会を逃さずに、
トライしてみてください(^^)
▶︎台本分析テクニック講座詳細
▶︎こちらのコラムでもメソッドについて紹介しています♪
とある戯曲にこんな台詞がありました。
「知るって、知らないよりいいのよ。
たぶん、そうなの」
この台詞、大好きなんですよねー。
こういう、メソッドなどの「知識」に限らず、
たとえ自分がネガティブを感じるきっかけになったとしても、
「知らなければよかった」ということなんてないなぁと、
つくづく思います(^^)
…まぁメソッドにおいては
「知らなけければよかった」
なんてことはないと思いますけどね。
受講お申込みの最終締切は、
本日2月3日(月)24時です!
真正面から向きかい、
ズレを戻していきましょう!
お申込みをお待ちしております♪
(佐山)
0コメント