【コラム】あらためて思う、“声優を目指す”とは。
声優という仕事の「今」と「これから」
― 発声・発音・演技の基礎を“段階的に学ぶ”ということ ―
こんにちは!
S&S声優コースの佐山です(^-^)
声優を目指す方、そして今よりレベルアップしたい方のサポートに携わるようになって、
気づけば十年、あるいは十数年が経ちます。
この間に、声優業界も声優を目指す方々の動機や理解の仕方も大きく変化しました。
最近はS&S主催の合同オーディションを開催するようになり、関わる業界関係者も増えました。
その中で、あらためて「声優とは」「業界とは」という部分について考える機会が増えています。
業界は“正しい”“当たり前”が通用しない世界
今と昔では変わらない部分もありますが、明らかに大きく変わった部分もあります。
声優事務所も増え、求められる人物像も多様化しました。
先日『業界研究講座』を行ったのも、そうした背景があります。
ただしこの講座の目的は、
「正しいことを覚えてほしい」
「当たり前を学んでほしい」
ではありません。
なぜなら、この業界には正しい・間違っているがほぼ存在しないからです。
むしろ“正反対のこと”が普通に起こります。
事務所・制作会社・マネージャー・ディレクター…
誰に聞くかで「当たり前」が全部違う。
年齢への考え方もそう。
「何歳以上は厳しい」と言う事務所もあれば、
「全然若いじゃないですか!」と言う事務所もある。
だからこそ本当に大事なのは、
「自分がどう行動するか」
その判断材料をどれだけ持っているか、です。
偏った“当たり前”だけを信じると行動がズレてしまう。
これは本当にもったいないことです。
「他責思考」が増えた今だからこそ
とはいえ、最終的には自己責任です。
知識がないまま選択した結果の「思ったのと違った」も、本人の責任。
最近は“他責思考”が増えたと感じます。
「事務所が何もしてくれない」
「マネジメント対象って聞いたのに…」
など、実際よく聞きます。
しかし売り物になる状態でなければ、仕事は任せられません。
マネジメント対象というのは「検討枠に入れた」だけであって、
“必ず売る”と保証されたわけではありません。
声優は、発声・発音・滑舌・演技力・対応力・コミュニケーション力など、
あらゆる要素が一定以上でなければ成立しない仕事です。
多くの人が忘れがちなのは、
声優は本当に難しい仕事だということ。
演技の大前提の上に“特殊技術”が乗る世界
私自身、俳優出身で芝居からこの世界に入りました。
初めて外画のアテレコを経験したとき、あまりの難しさに愕然としました。
・尺に合わせる
・感情を作る時間さえ自由じゃない
・中の人(キャラクター)に全て合わせる
・普段使わない息アドリブ
・マイク前に口を置きつつ、映像の体勢とは違う姿勢で演じる
こんなこと、日常でやりませんよね。
声優の仕事は、演技の大前提の上に特殊技術が山ほど必要になる仕事です。
ところが最近は、この“特殊技術”ばかりが注目され、
技術だけで何とかしようとする人が増えました。
その結果…
技術はあるが芝居が成立しない
相手を受けず一人で芝居してしまう
という人がとても多い。
「声優は役者である」
この本質が抜けると、すべてが崩れます。
デビュー時は演技が下手でも、現場で変わる人はいる
それでも、声や技術や歌、キャラ性でデビューする人は少なからずいます。
私も普段は「演技ができなければ声優じゃない」と言っていますが、
デビューした段階で演技が上手いと言えないな人は普通にいます。
ただ、その後の現場で演技が好きになったり、
考え方が変わることで伸びていく人もいる。
現場がきっかけで“役者”に目覚める人は伸びる。
逆に、そこで変われない人は精神的に苦しくなったり、大型コンテンツ一発で終わってしまったりもします。
ただし、
「現場に入れば勝手に上手くなる」
これは完全に間違いです。
最初に下手でもいいのは、
変わる意志と準備がある人だけ。
今もっとも危機感を覚えていること
― なぜ発声・滑舌・発音を軽視するのか ―
今、私が最も危機感を持っているのはここです。
「なぜ声優を目指しているのに、発声・滑舌・発音に意識が向かないのか?」
・正しい発音やアクセントを知ろうとしない
・アクセント辞典を持っていない
・自分の噛み・甘さに気づいていない
これは致命的です。
声優なのに発音が甘いのは、
声優という仕事を理解していない証拠であり、
その時点でスタートラインに立てていません。
さらにまずいのは、
・自分のミスに気づけない
・指摘されても「え?そうだった?」となる
・すぐに直せない
というタイプ。
本当はここをクリアしてからお芝居に入りたいところですが、
そんな悠長なことは言っていられません。
基礎を段階的に学ぶことで、芝居は本当に変わる
少なくとも、
・発声・滑舌・発音といった技術的基礎
・感性・感覚・瞬発力といった演技的基礎
これは同時並行で鍛えていくのが理想です。
段階を踏んで学ぶと、
マイク前の芝居が本当に変わります。
先日、最終回だったベーシッククラスのレッスンがとても面白かったんです。
マイク前に慣れすぎて同じ課題で何度もつまずく人より、
段階を踏んで学んでいる人の方が自然な芝居をしていた。
また、ナレーションクラスの初回でも、
話法の基礎をさらい、理解した上で課題に取り組んだことで、
自分の弱点や原因がすぐにわかるようになっていました。
段階を踏むって、本当に大事。
初心者より経験者の方こそ “学び直し” が必要
このコラムを読んでいただいてる方には、
経験者の方の方も多いと思います。
経験者こそ「初心に返って基礎を学び直す」という姿勢があると、
一気に変わります。
私としては、
・技術的基礎を学ぶ「発声・滑舌クラス」
・演技的基礎を学ぶ「ベーシッククラス」
この2つは、声優を目指す全員に受けてほしいと最近特に感じています。
「また佐山が偉そうに言ってる」と思われるかもしれませんが(笑)
もしよかったら、ぜひ体験してみてください。
見学より体験の方が断然おすすめです!
👉発声・滑舌クラス
(新クールスタート!途中からの受講も可能!)
👉ベーシッククラス
(12月16日新クールスタート!新規受講生募集中!)
今回もいろいろ飛びながら長々と書いてしまいました。
どこか一つでも参考になる部分があれば嬉しいです(^^)
それでは次回もどうぞお楽しみに!
(佐山)
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